免疫とは~長谷川桜子

免疫とはどういうことなの?

感染

ハシカのウィルスを例にして説明しましょう。

からだの防御機能がウィルスを退治

ハシカのウィルスがからだに侵入すると、はじめはどこかにひそみ、毒素を出しながら増殖します。
そのうち、からだの防御機能がはたらいて、リンパ球と白血球が力を合わせ、ウィルスを退治します。

防御機能により、発病に至らない場合もある

からだの防御機能がはたらいてウィルスを退治できた場合、発病はしないですむし、リンパ球はウィルスの出した毒素をいつまでも記憶しつづけます。

発病
防御機能がウィルスに負ける場合もある

ところが、ウィルスの増殖のほうが速すぎると、リンパ球や白血球は、防衛戦に敗れてしまいます。
ウィルスは血液の中にも侵入し、たくさんの毒素を出し、ほうぼうの器官が犯されて高熱を出し、発病するのです。

医薬の力を使う

発病に至った場合、医薬の力を使ってウィルスを絶滅させるしか方法はありません。

免疫
リンパ球はウィルスの毒素を記憶する

発病しないですんだにしろ、発病して薬で治したにしろ、ウィルスと戦ったリンパ球は、ハシカのウィルスの毒素の性質を、いつまでも記憶しつづけます。

免疫とは

そうして、将来、ハシカのウィルスが再び侵入してきてもちょっと毒素を出しただけで、リンパ球が今度はすぐにウィルスを発見し、増殖する前に退治してくれるので、もうハシカにかかる心配はありません。

この能力を「疫(病気)を免ぜられる」という漢字をかいて、免疫と呼ぶのです。